suc4-c09 ・・・・ 2007年9月2日〜5日四国 四万十中村&高知


9月2日(日)7時37分安岐自宅を出発。
杵築駅までは娘に送ってもらった。

杵築駅は城下町杵築をイメージさせる日本家屋風な
作り。以前は、ここから国東町まで大分交通の軽便
鉄道が走っていたが、昭和34年頃の大水害で数カ
所の鉄橋が流され、再起不能の廃線となった。

3番ホームで博多発大分行きのソニック1号を待っ
ていたら貨物列車が入って来た。珍しく、車台のみ
の車列が見られる。覗き込むと、レールで磨かれた
ピカピカの車輪が見える。車輪には、石でもひいた
のか大くくぼんだ傷があった。
それにしても、これだけ大きい傷でこのまま走って
も支障は無いのだろうかと心配になる。

8時19分ソニック1号大分行きに乗る。運賃は、
2,690円。定刻に杵築駅を発車。乗客はほとん
ど無く、2号車は先客2人と私だけ。JR九州も大
変だろうな?なんて余計な事を思う。

空は、薄雲が広がって直接お天道様は見えないが、
暑い夏の空気がすでに広がっている。

大神、日出、亀川と電車は豊かな緑の田園風景と別
府湾の海を車窓に流しながら別府へと向かう。
8時35分別府到着。ここで宮崎空港行きの「にち
りん」へ乗り換える。
もらった行程表にはそんなことは書いてなかった。
とにかく別府でおりるが、「にちりん」の乗車ホー
ムが福岡方面の3番線?理解出来ずに駅員に尋ねる
と、やはり3番線とのこと・・・なしか?

カラフルな「にちりん」に乗って車窓を見ると、鶴
見山が雲に隠されている。
話変わるが、赤字のJR九州は快適すぎる冷房。乗
客は私一人。
しばらくすると女性が一人乗り込んできた。

なんか妙な臭いが?ふと頭を持ち上げてキョロキョ
ロ見渡せば、女性の頭から煙が立ち上っている。
そうか、まだ喫煙車が存在するんだ。急いで隣の2
号車へ移動した。

2号車に居場所を決めたが、アナウンスで車内販売
の無いことを知り、ホームの自動販売機で飲み物を
買い込んだ。

やがて派手な色のL特急にちりん宮崎空港行きが3
両編成で別府駅を発車した。時間は8時50分。
別府湾の素晴らしい眺めが車窓に流れていく。
朝から良い景色を眺めて気分がいい。

9時1分に大分駅到着。大分駅周辺は高架工事が進
められている。駅の南北がJRのレールによって寸
断されていたがもうじきこれが解消される。

高校の3年間駅裏の上野が丘に下宿していたが、駅
の裏から表に行くのは結構大変だった。
私の下宿先がJR関係だったので、駅の通行証を良
くお借りして駅を通って行き来した。

そんなことを考えながら、向かいのホームに目をや
ると、「指差呼称  左よし 右よし」を見つけて
カメラに収める。
なんだか妙に人間くささを感じた。

その手前にはレールが2本あって、そのレールが枕
木に乗っている。枕木とレールは犬釘でしっかり固
定されている。うんっ犬釘?なんで犬釘?帰ったら
調べよう。

ホームには久大線の電車が入線してきた。おりてく
るお客は圧倒的に女性が多い。華やかな装いの若い
女性が増えたが男は何時の時代も華やかさとは無縁
のようだ。

8分程停車したにちりんが発車した。真っ赤な1両
の宮地行きを追い抜いて軽快に走る。

乙津川鉄橋、大野川を越えて鶴崎を過ぎて、10時
10分佐伯駅に到着した。

快適な電車から出ると残暑が厳しい。熱風がよど
んでまとわりついてくる。
タクシーに乗り込んで、宿毛フェリー乗り場までを
告げる。

狭い商店街の中をすり抜けて、5分ほどで宿毛フェ
リー乗り場へ到着した。

乗船券を買う。乗船便名、乗船日と時間他住所氏名
等の必要事項を書いて料金と共に窓口へ出すと乗船
券が渡される。

2等船室で2000円。これで乗船準備は整ったが
出船は11時だからまだ1時間近くの時間がある。
待合室は大気解放の自然温度状態。暑い!
腰掛けたり立ったり・・・やがてアナウンスが流れ
て乗船を案内された。時間は10時30分。結構は
やく乗せてくれるんだ。

やれやれ、フェリーだから車を乗せる大きな開口部
から歩いて船内へと乗っていく。車では時折利用す
るが、歩いてのフェリー乗船は始めての体験であっ
た。

船内は結構狭い。2等船室へと進み、自分の居場所
を決めて座り込む。進行方向左側の窓脇に決めた。


客はまばら。しばらくすると、賑やかな子連れの母
親と爺ちゃん婆ちゃんご一行様が同じ仕切に上がり
込んできた。嫌な予感。母親の顔を見た途端そんな
心配がよぎった。まあまあの美形でバッチリクッキ
リのメリハリある化粧。偏見かもしれないが、この
手の母親が連れている子供は好き放題の自由気の向
くままに育てられている事が多い。

早々にどたばたギャーギャーが始まるが、母親は携
帯電話と睨めっこで一言も言葉は発しない。爺さん
婆さんも知らん顔。爺さん婆さんは、見かけ明らか
に私より若い。40代後半から50代やっとだろう
?。娘をどう育てたのか?なんて、余計な事を考え
る。


しかしながら、世は少子が心配される時代。今後
の日本を私達の老後を支えていただくであろうこ
の子らを暖かく見守ろう・・
なんて自分に言い聞かせて狸寝入りを決め込む。
狸寝入りは疲れる。やや揺れが大きくなって、気分
が良くない。甲板に出て海風に当たろうと上ってい
く。外の日差しは強いが風は気持いい。
真っ青な海と空と浮かぶ島。気分は爽快になる。

小さな島が現れては消えていく。木の葉のような小
さな漁船が漁をしているのだろうか、あちこちに浮
かんでいる。

14時丁度宿毛港に着岸した。乗船時と同様、車の
出入りする大きなゲートから下船する。大きな鉄の
扉の前に立って扉が開くのを待つ。
見上げると、扉のロックが開放されて徐々に扉が前
方に開いて行くと、そこには宿毛の青空が眩しく広
がっていた。
ガタガタと洗濯板の上のような下船道をキャリー
バックを引きずって歩く。タクシーを探すが見あた
らない。

下船する車を誘導する係員に尋ねると、目の前だと
いう。しばらく強い日差しに薄い頭を照らされなが
ら立っているとタクシーが現れた。早速くろしお鉄
道の宿毛まで運んでもらう。時間は10分くらいだ
った。

そう言えば腹が減っている。11時に乗船して、
14時に下船。 船の中では食事にありつけなかっ
た。是非とも弁当を持参してフェリーに乗船する事
をお勧めします。
宿毛駅到着14時15分。駅前にうどん寿司のレス
トラン(チェーン店)があるが次の電車までの時間
からするとバツ。弁当を買うにも、好みのものが無
い。中村に着いたら何か軽いものでもと思い食事は
あきらめた。


駅前に目をやるとベスト電器がある。デジカメの画
像吸い上げ用にカードリーダーを買いに行く。
さて、初のくろしお鉄道である。一度乗りたいと思
いながら、たいがい車移動なので乗る機会が無かっ
た。

このくろしお鉄道は、高知から宿毛までを走ってい
る。数年前に(一昨年だったかな?・・)この駅の
車止めに乗り上げて大きな事故となった事が記憶に
ある。
早速切符を買う。券売機で中村まで610円。
14時34分くろしお鉄道の電車は出発し、この電
車の終点である中村駅を目指して走り始めた。

車窓を楽しもうと前の方の窓側に腰掛けた。
対面席だから、少し体をよじって窓の外の景色を目
で追う。この間僅か数分でトンネルの闇へと電車は
入り、しばらくながいトンネルの中を走ることにな
った。

車窓には四国の山々と山の谷間を流れ下る清流と田
んぼの景観が通り過ぎていく。
くろしお鉄道の運転席近くに車両のプレートを見つ
けた。昭和63年新潟鉄鋼とあった。

車内は日曜日とあって、若者が比較的多い。高校生
くらいだろうか、仲良し数人組で楽しそうにおしゃ
べりをしている。

遊びの話が時々成績の話になったりする。遊んでい
ても勉強も気になるまじめな青年達。がんばれよ!
・・・そうエールを送りたい。
15時04分中村駅着。・・・暑い!
駅周辺を見渡すが、食事が出来そうな店は見あたら
ない。駅に戻って売店で饅頭を買って空腹を少しご
まかす。

ホテルへそのまま向かう。

ホテルは、ニューロイヤルホテル。Tさんの紹介で
WEBから予約した。外観はまあまあ。中身もまあ
まあ。・・の様である。

チェックイン後一休みして・・・そう思ってベッド
に寝ころんでいたら6時半になっていた。少々気分
が悪いのでフロントで薬屋を聞き近くのアーケード
街まで出かける。時間は7時僅か過ぎだが人影もま
ばらで店の殆どが閉まっていた。勿論薬屋さんも閉
まっていました。アーケードを出てあちこち歩くが
店は無し・・・食事でもと思いながらさらに歩くが
飲み屋はあれど飯屋無しである。

上戸なら、ホテルの前の通りに「いごっそ」という
マグロを食べさせてくれる店があります。アーケー
ド街の入り口付近にも結構小綺麗な小料理屋があり
ました。こんな時下戸は難儀ですね。

ホテルへ戻って、ホテルのレストランでヤケのヤン
パチで四万十うなぎを注文する。ウエイター曰く
30分ちょっと時間がかかりますがよろしいですか
?・・勿論いいさ。たかが30分・・・そう思いな
がら、これから裂いて焼くのかな?もしかして本当
の四万十産うなぎ?なんて想像を膨らませる。もし
本物の四万十川育ちのウナギであっても、私の味覚
でそれがわかるか?たぶん、間違いなく、分かない
だろう。そうこう考えている間に30分が過ぎたの
だろうか、ウナギが運ばれてきた。うっ・・色が薄
い。小さい。
そう思いながら口へ運んだウナギの味は、甘すぎる
たれの味ばかりでウナギの旨さも不味さも伝わって
来ない。ははは・・・・これが四万十のウナギか・
・・余計なことは考えずに空きっ腹にウナギとご飯
を放り込んで美味しい水で甘い口の中を濯いでごち
そうさま。

後は、大浴場にゆったり浸かって今日の汗と疲れを
流そう。


9月3日(月曜日)6時20分起床。

8時半に目的の場所に出向くため8時15分にタ
クシーを呼んでもらいホテルを出た。

予定場所に8時27分到着。

       仕事中・・かな?






外の日差しは強い。・・・暑いだろうな?

お昼がやって来た。ここの皆さんは、道路の向か
いにある弁当屋をご利用のようだ。

私は、少し歩いてみた。斜向かいの古本屋の中に
うどん屋を見つけて覗く。
先客無し。メニューの中から冷やしうどんのダイ
コンおろしのせを注文した。これには半ライスが
サービスで付くのだそうだが、腹のことを考えて
お断りした。

うどんの腰も味もまずまず・・・
途中どこかの親父が入ってきた。丁度テレビは朝
青龍を話題にした番組をやっていた。親父は開口
一番朝青龍に厳しい意見を述べたが、私が、そう
は言っても26歳。私の息子も26か27だが、
まだまだ子供ですよ。との一言で、なるほどそう
ですよね。親方が悪いと一変した。・・ははは。
ご馳走様でした。600円也。・・
外へ出ると小雨。小走りに建物へ戻る。

2時55分に仕事をかたづけて、タクシーで駅へ
向かう事にする。

鈴ハイヤー(0880−34−3451)で駅ま
で550円。歩ける距離かな?
南国ハイヤーもあるが、市外局番が書いてないの
で鈴ハイヤーにした。携帯電話時代は市外局番も
必要って事知らないのかな?

15時9分の岡山行き特急南風24号へ乗る。こ
れもガラガラ。3号車の窓側へ陣取って車窓を楽
しむ事にした。運賃は、高知まで4020円。
駅の窓口は感じ良い女性。・・女性の進出が目立
つ。・・・男は一体何処へ行くのでしょうね。

南風は単線を風の如く疾走する。トルクフルなデ
ィーゼルエンジンの音と振動が気持イイ。


外はにわか雨が降っている。不思議なことに進行
方向左側の窓のみを雨が叩く。
馬の背を分けると言われるにわか雨かな?

車窓は山と田んぼときれいな川。のどかで実に良
い。

15時28分土佐佐賀駅到着。15時45分窪川
駅到着。ここで約10分の対向列車通過待ちとな
る。単線鉄道の宿命であるが、これもまた良い。

窪川は、車で通過したことがある。国道から見下
ろす場所に鉄橋があって、その鉄橋をカメラにお
さめた記憶がある。是非この鉄橋を列車が走って
いる画を撮りたい。

窪川を過ぎると、開けた景色が一変して、コンク
リートトンネルと木々のトンネルの中を列車はエ
ンジン音を高めて疾走する。時折ほんの一瞬開け
る景色が真っ暗な中にストロボをあてた様に見え
る。少し色付き始めた田んぼであったり、白い波
が砕け散る磯であったり、連なる山々であったり
とその景色は様々である。

いままで体験した事のない列車の旅を知り得た喜
びである。

今度仕事ではなく、各駅におりて見たいと思う。

そんな列車の旅を楽しむことしばし、やがて私の
今日の終点高知に着く。時間は、16時55分。




高知駅を出て、案内板の地図から予約したホテル
を探すが見あたらない。電話を入れて場所を理解
した。駅前をまっすぐ歩いて、最初の橋を渡って
ガソリンスタンドの角を右に曲がればホテルが見
えた。まあまあ見かけは立派なホテル。

早速チェックイン。じゃらんでNET予約済みだ
が、あまり処理がスピーディーではない。

鍵を受け取って部屋にはいるとムッとした暑さ。
エアコンを入れるがなかなか温度が下がらない。
エアコンを入れっぱなしで、室温が下がるまでロ
ビーにでも逃げていようと思うが、例のスイッチ
からキーを抜くとエアコンも切れる。さて、どう
しよう?乗船時に持ってきた中村市の観光案内を
キーの大きさに折り畳んで穴に突っ込んで一件落
着。

観光を兼ねて市内をほっつき歩く事にする。
暑いがやる事も無いので・・・・

やや腹もすいたので飯でもいただこうと暖簾をく
ぐる。四万十ウナギや手長エビなど四万十をうた
ったメニューが並んでいるが、信用せずにありき
たりの物を注文した。千円そこそこで結構満足感
を得ることが出来た。

後はホテルに帰って寝るだけ。
こんな時下戸は寂しい。上戸なら名物でも突っつ
きながら地元の銘酒でも楽しめるのだが・・・

ホテルの部屋に戻るといい具合に冷えていた。風
呂に入って、汗くさい体を流して、ついでに汗く
さいシャツを洗って・・・臭いままバックに入れ
たくないので簡単に洗った。明日までには乾くだ
ろう。

さっぱりした。残るは、Tさんへの報告と明日の
準備とHPの更新だけ。・・・・疲れた!


9月4日(火曜日)最高の空高き晴天。

朝6時20分起床。いつものメロディーで気持ち
よく起こされる。
ややエアコンの音が大きいのと、エアコンの温度
調節が働かないので冷えすぎに注意が必要。
何度か目を覚ましてエアコンを入れたり切ったり
の作業を強いられる。鈍感者は必要なし。

8時10分過ぎにタクシーで今日の仕事の挨拶へ
事務所へ向かう。タクシーを待たせたまま挨拶を
済ませて仕事場のホテルへ向かう。

タクシーの運転手さんは話が好きなようで、この
辺のトンボが減ってセミが増えた事や、オニヤン
マを見かけなくなっただの、九州を旅したいが紅
葉はどうか?等々話が続いた。
8時50分ホテル着。

       ・・仕事・・

昼食は外の暑さに負けて、ホテル一階の喫茶で
いただく事とした。
日替わり弁当で680円。まあまあの質と量。
昼食はこれで十分。これ以上いただくと午後が
きついだろう。

       ・・仕事・・

16時10分終了・・ご苦労さんでした。


9月5日(水曜日)今日も日射しが強い。
8時高知発の南風に乗ろうと6時半に起床し、7時
に朝食をいただいた。

そさくさと荷物をまとめてホテルを7時30分に出
た。既に太陽は強い日射しを注ぎ、気温はどんどん
上がって行く。
ビルの影と朝の日射しがつくるコントラストが実に
良い。
路面電車が通りすぎていくのを横目で見ながら足早
に高知駅へ向かう。

窓口で帰路の行程表を提示して、岡山まわりの日豊
線杵築駅までの乗車券と特急券を購入した。
まだまだ時間は十分にあるのだが、それには気づか
ぬまま改札を通ってホームへと入ってしました。
ホームには、7時45分発の普通列車を待つ学生さ
んとサラリーマンで溢れていた。ホームのベンチも
もちろん満席。

少々急ぎ足でここまで来たものだから暑い。ベンチ
に腰掛けて団扇で扇ぎたいが、ベンチも団扇も無く
ただ突っ立ってあたりを見渡すのみ。

向こうのホームには阪神タイガースのヘッドマーク
を着けた黄色い電車が止まっている。

やがて、普通列車が出発してベンチの席が空いた。
先頭の3号車に乗ろうと並んでいると、高知から南
風の運転を代わる運転手さんがやって来た。
早速南風の快適な加速感を支えるジーゼルエンジン
に付いて質問したが、詳しい事をご存じなかった。
快適な加速感と心地よい振動ですねと南風を誉め、
それを運転できる運転手さんは羨ましいと言うと、
嬉しそうに笑っていた。運転手さん本人もきっと気
持ち良いに違いなし。

あとで調べたが、エンジンはコマツ製作所の直噴式
SA6D125H−1型で355馬力が2基。
新潟コンバーター直結2段式流体変速機
TACN22−1601との組み合わせで最高
130km/h、25%の上り勾配を95km/hの
速さで駆け昇る性能だそうだ。
8時丁度に南風は高知駅を岡山に向けて出発した。
今日もエンジンの響きと加速感が気持イイ。

少し開けた高知の田園風景が朝の光に照らされて鮮
やかにはえる。

8時9分、後免(ごめん)駅へ到着した。
ふとホームに目をやると新しい枕木が見えた。今時
枕木はコンクリート製とばかり思っていたが、まだ
木材が使われることに感激した。たしか、枕木は腐
りにくい樫や栗の木と聞いたことがあるが、これも
樫か栗の木だろうか。色味が黒っぽく見えるのは、
防腐のためにクレオソート油が塗られているからだ
ろうか。
列車は再び軽快に走り始めた。

景色はますます厳しくなる。起伏の激しい渓谷の川
沿いを鉄橋とトンネルでレールを繋いで行く。川底
からそびえる山を見上げると、そこに生活する人々
の家が小さく山の斜面に点在している。家々の庭先
にはキョウチクトウや芙蓉の花が咲き乱れている。

線路のすぐ脇には水豊かな清流がある。

次は大歩危。2003年4月に車でここを訪れた。
かずら橋に感激して何度も行ったり来たりしながら
絶景をカメラにおさめた。・・懐かしい。
ホームには、小さなかずら橋が飾ってあった。
もう一度来ようと思う。のんびりと温泉にでも浸か
りながら四国を巡りたい。
車内のアナウンスが大歩危の説明を始めた。吉野川
沿いに約8kmに渡る渓谷が大歩危渓谷だそうだ。

そのアナウンスを聞きながら景色を眺めていると川
下りの船着き場を見つけた。子供がまだ小学校だっ
た頃にもここらをドライブした事を思い出した。
川下りの船に乗った事や、泊まるホテルが無くて、
建設会社の保養所にお願いして泊めていただいたこ
と等々・・・

景色はますます厳しさを増す。急な斜面の上の方に
民家が見える。どうやって上って行くのだろう。飲
み水はどうしているのだろう。平地に住む私には全
てが不思議に見える。四国人の根性は良く知られる
ところだが、目の当たりにするとさらに凄さを感じ
る。
列車は、曲がりくねり、上っては下り、下っては上
る線路を軽快に走る。

阿波池田に近づいた。ここは池田高校が有名ですよ
ね。車窓から池田グランドが見えた。

ここのアーケード商店街も懐かしい。昔、間違えて
車を乗り入れてしまいました。あわてましたが、車
通行可だったんです。
そうだ、池田は井川さんの故郷でしたね。井川さん
元気ですか?

阿波池田駅を列車が発車すると、左手に小さな公園
が見えました。そこにはバットやグラブを持った蛙
の石像が並んでいた。・・何だろう?
次は金比羅さんでおなじみの琴平です。

列車は琴平に到着した。あの金比羅宮のある像頭山
が見える。中腹左手に少しだけ金比羅宮の屋根が見
えました。

金比羅・・琴平・・・何か関係あるのかな?
高校の修学旅行で金比羅さんの近くの旅館へ泊まっ
た記憶はあるが、金比羅宮まで上った記憶がない。
朝寝坊して上れなかったのかな?

ここにも良い温泉がある。是非ゆっくりと温泉に浸
かりに来たい。
さあ、ここを過ぎると瀬戸大橋。香川県坂出と岡山
県倉敷を結ぶ鉄橋。高架部を含めて13.1kmの
鉄道と自動車道の橋である。

ものすごい建造物である。3両編成の列車を揺らす
事無くしっかりと支えている。

絶景である。眼下に広がる瀬戸内海は大小の船が行
き交う。まるで止まっている写真の様に感じる。



疾走する南風がもう少しゆっくり走って欲しいと思
う。この下辺りには木田昌治君がいるはずだが、元
気にしているだろうか。
南風はアッという間に岡山へ到着した。

これから、新幹線へ乗り換えて小倉まで行き、そこ
から日豊本線で大分県の杵築まで向かう。

後は変わり映えしない風景。弁当でもいただいて一
眠りしよう。

南風の旅は最高だった。・・・・


また南風に乗りたい。